ミレニアム第1部「ドラゴン・タトゥーの女」
ドラゴン・タトゥーの女は、スウェーデン版とフィンチャー(ハリウッド)版が存在しますが、私が大好きなのはスウェーデン版。今回もネタバレをしない程度に書いてみようと思います。
ミレニアム第1部「ドラゴン・タトゥーの女」
概要
「ミレニアム」シリーズは、スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンの推理小説。ドラゴン・タトゥーの女は、ミレニアムの第1部にです。ちなみに、第1部の原題は 「Män som hatar kvinnor」(女を憎む男)であり、「ドラゴン・タトゥーの女」は英語版の題から来ています。
あらすじ
雑誌「ミレニアム」の発行責任者兼共同経営者であるミカエル・ブルムクヴィストは、大物実業家・エリック・ヴァンネルストレムの不正を暴き報道するも、ハメられて名誉毀損の有罪判決を下され、一旦「ミレニアム」から身を引くこととなる。
時を同じくして、大企業ヴァンゲル・グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルは、ミカエルの身元調査を依頼していた。依頼されていたのは、鼻にピアスをし、背中にドラゴンのタトゥーを入れた少年のような風貌の女性リスベット・サランデル。彼女は情報収集能力に長けており、偵察やハッキングを駆使し、ミカエルが信頼出来る人物と報告をする。それにより、ヘンリックは、事件の謎を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させることもできる証拠を与えるという条件に依頼を発注する。
依頼の内容は、36年前に失踪したハリエット・ヴァンゲルの調査。ヘンリックは、ハリエットが一族の誰かに殺されたと確信しており、それが誰か突き止めて欲しいと言うものだ。ミカエルは調査に難航するが手がかりを発見する。
リスベットはミカエルのPCをハッキングし彼が見つけた謎の一つを解決に導く。ミカエルはリスベットの存在を知り、彼女の才能からヘッドハンティングし共にハリエット失踪事件の全貌を解明していく。
この映画のなにが好きなのか
ストーリー構成と描写
当たり前ですが、ミカエルとリスベットの2人にはそれぞれの背景があります。しかし、その背景は淡泊な表現ではなく、2人が出会うまで同時進行という形を取り、見た目・発言・描写で分かりやすくキャラクターを表現しています。
また、ミカエルとリスベットの心の繋がり・信頼するまでの描写が繊細に表現されており、特にリスベットの心を開くまでの表現がとても美しいです。
最後に
最初に書きましたが、この映画はスウェーデン版とフィンチャー版が存在します。フィンチャー版はとても簡潔にまとめてあり映像的にも綺麗にまとまっています。しかし、スウェーデン版は映像美と言うより、心の変化・人の汚さなど繊細に時には荒く表現していて、終始目が離せなくなるとても良い映画です。2時間半と少し長めではありますが、ぜひ観て欲しい。
また、第2部「火と戯れる女」と第3部「眠れる女と狂卓の騎士」も同じ配役で映像化されており、こちらもいつか文字に起こしてみようと思います。